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Flavor coffee
焙煎機の排気 2
珈琲科学館(1F) /焙煎理論(3F)
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焙煎機
「M工業」から借りた風速計
焙煎機
新しく買った風速計
焙煎機
新しく買った風速計を取り付ける

排気量を調べる
今回・・オークションで風速計を買いました
前回「M工業」に借りて実験したんですが同じ部分に風速計を取り付けて実験をすることにしました
前回の測定では補助ダンパーを使っていましたが今回は、ない状態で測定しました
ちなみに、風速計がついている赤いパイプはウーロン茶が入っていた紙缶を切って使いました

実際の測定・ファン式風速計 (3kg釜・補助ダンパーなし 風速 m/s)
排気ダンパー
風速(m/s)
2.0
2.8
3.6
4.5
5.5
6.3
7.0
7.4
7.5
風量(l/s)
10.3
14.3
18.0
22.8
27.7
31.8
35.3
37.2
38.0
減少率(%)
27%
38%
48%
60%
73%
84%
93%
98%
100%


実際の測定・熱線式風速計 (3kg釜・補助ダンパーあり 風速 m/s)
排気ダンパー
風速(m/s)
2.1
3.2
4.2
5.2
6.2
6.8
7.5
7.8
7.8
風量(l/s)
10.5
16.0
21.0
26.0
31.0
34.5
37.5
39.5
39.5
減少率(%)
27%
41%
53%
66%
78%
87%
95%
100%
100%


実際の測定・熱線式風速計 (5kg釜・風速 m/s)
排気ダンパー
風速(m/s)
5.1
5.6
6.5
7.2
8.8
10.0
10.2
10.5
10.5
風量(l/s)
25.7
31.3
32.8
36.3
44.4
50.4
51.4
52.9
52.9
減少率(%)
49%
53%
61%
69%
84%
95%
97%
100%
100%


焙煎機
赤が5kg釜
青が3kg釜

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・風量(l/s)

表の解説
今回新しく買った風速計を前回、熱線式風速計で測定した位置と同じところではかってみました
前回と数値的には同じような感じででたんで信憑性は高いと考えていいと思います。
そのなかで、ぼくがもっとも問題と考えるのは5kg釜の排気の減少率です
3kg釜の場合ダンパーを全閉にしたときの減少率が27%なのに対して5kg釜は49%もあります。
これは、排気の幅が5kg釜の方が極端に狭いということです
排気の幅が狭いということは少量焙煎が極端に難しくなることになります

焙煎機
煙突に風速計を取り付ける
焙煎機
ダンパー手前に取り付ける

焙煎機
赤がダンパー手前
青が煙突(3kg釜使用)

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・風量(l/s)

煙突内の風速について
煙突内の風速は、ダンパー手前の部分のような極端な変化が起きませんでした
減少率にして65%ほどしかありませんでした
これは、排気ダンパーを閉じても焙煎-冷却切り替えダンパーのすきまなどから
空気が流れてくることが原因だと思います
排気ダンパーは、隙間の大きさを調整しています
つまり、ダンパーを絞って隙間を小さくした場合は
切り替えダンパーにある隙間から入り込む空気の比率が大きくなってしまうのです
ちなみに切り替えダンパーを冷却にすると
68(l/s)もの空気が煙突に流れることになります(3kg釜のデーター)

焙煎機
焙煎機のダンパー部分
ダンパーを全閉にした状態
焙煎機
焙煎機のスリット部分
穴の面積は楕円となる

風量とスリット面積 (3kg釜・風量 l/s 面積 cm2)
排気ダンパー
スリット面積(cm2)
4.4
7.0
11.0
16.4
22.4
29.0
36.0
43.0
50.7
3キロ釜・風量(l/s)
10.3
14.3
18.0
22.8
27.7
31.8
35.3
37.2
38.0
5キロ釜・風量(l/s)
25.7
31.3
32.8
36.3
44.4
50.4
51.4
52.9
52.9

焙煎機
青・・・スリットの面積(cmm2)
赤・・・3キロの風量(l/s)
黄・・・5キロの風量(l/s)
ダンパーの隙間を計算する
ダンパーはパイプに7㎝の穴と2センチ小さな穴を結んだような格好の
穴が開いておりそれを回転させて隙間を調整しています
(珈琲屋でないとわかんないかもしれませんが・・・)
流体力学ではこの穴の面積はこの楕円の面積で計算すればいいらしいのです
(大学生に教わりました)
そして、実際に計算してみると・・・・
ほとんどきれいな直線になるのです
つまり、ダンパー1目盛りで10度づつ角度が変わって隙間の面積が表のように変化します
グラフではきれいな直線になるのでマノスターゲージの値や風速計の値が直線になるのもうなづけます
ただし・・排気のバランスが取れた部分が「5」になるか「6」になるかは大きな違いがでます
ファンの能力は「7」から「9」ぐらいでは変化がめちゃめちゃ弱くなるのです
それと5キロ釜の全閉時の吸い込み量の多さはダンパー操作の幅を 狭めているように思います

焙煎機
風速とマノスターゲージ
風速とマノスターゲージの関係を調べる
マノスターゲージは差圧を測定します
圧力差があればそこには風が起こります
圧力差があればあるほど強い風が起こります
(すごく当たり前・・・・)
そこで実際に風速とマノスターゲージの数値で
どれだけ関連性ができるかを調べてみました

風速計とマノスターゲージ (3kg釜・風速 m/s 差圧 mmH2O)
排気ダンパー
ノーマル風速(m/s)
2.0
2.6
3.6
4.4
5.3
5.9
6.3
6.7
6.8
ノーマル微差圧(mmH2O)
0.5
0.7
1.1
1.6
2.4
3.0
3.7
4.2
4.4
「10」・風速(m/s)
1.4
2.1
2.7
3.6
4.5
5.4
6.1
6.4
6.4
「10」・微差圧(mmH2O)
0.4
0.5
0.6
1.0
1.7
2.4
3.1
3.4
3.6

焙煎機
風速とマノスターゲージのグラフ
青・・・風速(ノーマル)
赤・・・差圧(ノーマル)
黄・・・風速(「10」に固定)
水色・・差圧(「10」に固定)
グラフの解説
マノスターゲージと風速計の関係をグラフにしたものです
ノーマルは普通の状態で測定したものです
「10」のほうは排気ファンの部分をを10mmH2Oに固定するようにしたものです
つまり・・・焙煎-冷却切り替えダンパーを操作して10mmH2Oになるようにした状態で
排気ダンパーの部分で風速と微圧を測定したものです

このグラフの一番の特徴は、排気ダンパーを絞った状態から徐々にあけるときに
マノスターゲージの数値の上がりが非常に弱いことです
これはダンパーの構造上最初の数段は穴の大きさがあまり変化していかないからです
それに対してノーマルのほうは、排気を絞ったときには穴の大きさは小さいかわりに
排気ファンの部分が大きな負圧をもっており吸い込もうとする力が大きいからです

まぁ・・わかっちゃえば当たり前のことですけどね

制作/フレーバーコーヒー
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