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機械式エスプレッソの泡を科学する
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cup ファーストクラスを科学する

ぼくが、大好きなエスプレッソがあります。「ファーストクラス」といって家庭用の機械式 エスプレッソでは珍しく泡がきれいにでるのです。それとなんといっても安い。(定価 19800円) なぜこのエスプレッソは、泡が立つのかを調べてみたいと思います。 ぼくは、もともとエスプレッソの泡はコーヒー豆が持っている炭酸ガスだと思っています。 深いりのコーヒーならば、エスプレッソ一回分で30ccほどの炭酸ガスを持っています。 これが、カップの中に泡となって落ちるわけです。一応、これがエスプレッソの原理だと 知っておいてください。
(写真・ポンプ式エスプレッソ「ファーストクラス」)

ファーストクラスの構造

ファーストクラスは、ポンプ式といわれるタイプです。これは、ボイラーでお湯を 沸かしておき、コーヒーのはいっているホルダーには、ポンプを使って送る方式の ことです。これに対して蒸気式とは直火式のエスプレッソと同じでボイラーでお湯を 沸かし蒸気の圧力を使ってホルダーのほうへお湯を送る方式です。 どちらも、コーヒーの層を圧力をかけて通過させる意味では同じです。 ただし、抽出に使われるお湯の温度には、違いがあります。 これは、蒸気式では沸騰した蒸気の力を使うためお湯の温度が高くなります。 ポンプ式では、一定温度でお湯が保温されており蒸気式よりも低い温度で、 抽出が行われます。
(写真・抽出したてのコーヒー)

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cup
なぜ、大量の泡がでるか

ビーカーに、どこまで泡が出るのか調べてみました。当然泡は、一つ目のビーカーで 終わるはずでした。ところが、どれだけ、抽出しても泡を含んでいるのです。 これは、泡が作られていると思いました。ちなみに、最後のビーカーでは、 泡が出来るのですがすぐに消えてしまいました。
(写真・ビーカーに抽出)

泡の性質を調べる

三個のビーカーに濃さの違うコーヒーをいれて空気を送ってみました。 そうすると、濃いコーヒーは泡が消えにくく、薄いコーヒーは泡が消えやすいようです。 たぶん、濃いコーヒーは、粘性が高く泡が立ちやすく消えにくい。逆に、薄いコーヒーは 粘性が低く泡が立ちにくく消えやすい。ちょうど、ミルクを泡立てる時、温度をさげて 粘性を増すようにしたり、濃いミルクを使ったりするのと同じだと思いました。
(写真・ポンプで空気を送る)

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cup 泡を作るなぞを調べる

コーヒーの持っている炭酸ガス以上に泡がでる以上泡をつくる部分が あるはずです。そこで、ファーストクラスのフィルター部分を調べました。 写真の左が普通のフィルターです。右がファーストクラスのフィルターです。 何が違うかというと、ファーストクラスのフィルターには、シリコンゴムのパッキンが 入っておりパッキンの真中に小さな穴が開いているのです。 (ステンレスカバーの内側にシリコンのゴムのパッキンがはいっている)
この構造だと、コーヒーは、パッキンを押しのけて出てこなければならず、小さな穴からコーヒー液が 勢いよくふきだすと思われます。
(写真・右がファーストクラスのフィルター)

ホルダーを調べる

ファーストクラスのホルダーは、内側に四枚の壁が出来ており、これが勢いよくふきだしたコーヒーを 飛び散らせないばかりか、ここにたまっているコーヒー液に勢いよくコーヒーをぷつけて 泡をつくっています。泡を伴ったコーヒー液は四ヶ所の隙間を通って二つの出口から流れ落ちます。 つまり、真中の小さな部屋にたまっているコーヒーに勢いよくコーヒーをふきつけることにより 泡を作っているのです。そこで、どのぐらいの勢いでコーヒー液が飛び出しているかを 調べるためにホルダーの真中に穴をあけることにしました。
(写真上・ホルダーの真中に穴をあける)

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cup cup 写真左・シリコンゴムのパッキンのない普通のフィルター使用

写真右・ファーストクラス専用のフィルターを使用

結論

真中に穴をあけたホルダーを使ってコーヒーを出してみました。写真では、コーヒーが ちょろちょろとひとすじ出ているように見えますが、ストロボを使って一瞬を切り取ったからで 本当は、すごい勢いで噴出しています。この圧力でホルダーの真中の部屋にはいって泡が 発生するんだなあと思いました。ちなみに、下にカップを置いて実験をしましたが これだけ離れているにもかかわらず泡がきれいにたちました。これがホルダーの小部屋で 距離が近いわけですから泡を作る力がもっと強いだろうと思いました。 このファーストクラスというエスプレッソは 泡が出来るようにうまく工夫がされている機械だと思いました。
(写真・ふきだしているコーヒーのアップ)

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