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煎っ太郎改造日記
珈琲科学館(1F) /焙煎理論(3F)
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焙煎機 小型焙煎機・煎っ太郎

半田市の自家焙煎の喫茶店・蘆花の山本さんから車椅子の人が 使うように焙煎機を改造してほしいと頼まれました。
この煎っ太郎は、素人が使うにはもってこいの機械で非常にきれいに煎れます。 (素人の方が定価 198000円の機械を買うとは思えませんが・・・)

煎っ太郎の問題点
・微圧計がない・排気の調整がない・温度計がない
つまり、焙煎の再現性が乏しい
チャフが飛ばせないためドラム内でのチャフの 煙臭が豆についてしまう
車椅子の人が扱うには豆の排出がおもすぎる
(写真・改造前の煎っ太郎)

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とりあえず簡単なところから改造してみました

とりあえず、火力を調整できるように微圧計とバルブをつけました。
(この辺はめちゃくちゃ簡単)
冷却ファンのスイッチとコンセントをつけました。
(改造というには恥ずかしい)

この改造で重要になるのは、
ドラムにいくつぐらい穴をあけて排気の抜けをよくするか
ドラムにあけた穴からチャフがスムーズに落ちてくれるか
排気のダンパーの開閉部分の構造どうするか
温度計とスプーンをどのようにつくるか

ざっと考えて上記のことが重要になると思います。
とりあえず、スプーン付温度計として用意したのが、てんぷら用温度計です。 これならば、測温部分が表示部分から遠くて非常に使いやすかったのですが、 豆の煎りあがりのチェックで豆をスプーンですくうときドラム内のかくはん用の 羽根にひっかけてしまって使いにくいことがわかりました。そのため、スプーンを いれるときのガイドをつけなければ難しいと思いました。
排気のダンパーの開閉は、投入口にふたをしておきそのふたにシャッターをつけることにしました。 当然、豆の排出のさいに邪魔にならないように開くようにしてみました。ところが、シャッターの開閉に スムーズさがなく、シャッターの目安もないのでその部分を作り直さないといけないと思いました。
ドラムにあけた穴に関しては、けっこう調子いいのですが、チャフが下に落ちて掃除ができる構造に する必要があるように思いました。
(写真左・赤いのはスプーン付温度計)
(写真中・ダンパーを半開の状態)
(写真右・豆を排出の状態)

 

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本格的な改造

車椅子の人が操作するのに煎っ太郎の前後に動くのはちょっと不親切と思い、 すべての操作を正面の位置でできるようにしました。 当然、豆の排出も正面で行うことができます。
タイマーや照明器具も取り付けてとりあえず焙煎してみました。
スプーン付温度計が思ったように豆をすくってくれずにもう一度つくりなおすことにしました。
この段階でフロントパネル三枚、スプーン付温度計二本作り変えました。 もう少しで完成となります。
(写真左・台にのった状態の煎っ太郎)
(写真中・豆投入時の煎っ太郎)
(写真右・豆を排出時の煎っ太郎)

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やっと完成しました

仕上げとして微圧計を正面に向けました。ちょっと格好をつけて正面のナットを 袋ナットにしました。生豆投入用のじょうごやスプーンを置く台を取り付けました。 チャフ受けが取り付けやすくなるようにガイドを取り付けてあります。

試運転をやってみました

大阪の澤田さんと蘆花さんとぼくの3人で煎っ太郎の試運転をしてみました。 煎った感じでは、ふかいりにしたとき排気が自然排気のため追いつかないように感じました。 よい点としては、煙の量やそのときに煙なのか水蒸気なのかを確実につかめる。 (煙突がなくてくちの部分から煙がでるからあたりまえですが・・・)

(写真上・煎っ太郎の側面)
(写真下・煎っ太郎の正面)

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スプーン付温度計

この部分は、一番苦労した部分です。焙煎機の内部の温度をはかる 温度計とコーヒー豆のサンブルを取り出すスプーンをこれひとつで兼用しています。 焙煎機の内部は、コーヒー豆をかくはんする羽根がついており、 その羽根にひっかからないためには中心の部分しかつかえません。 そのため、まっすぐにスプーンを差し込めるようにガイドがついています。 そのガイドに沿わせてすべらせれば、スプーンで安全確実に豆を取り出すことが できます。
(写真左 ・温度計として焙煎機に差し込んで使う)
(写真左下・スプーンとしてガイドに沿ってぬいた状態)
(写真右下・サンプルを取り出した状態)
さらに詳しい事を知りたい人はここ!!

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煎っ太郎の嫁ぎ先・ひかりのさとファーム

蘆花さんからひかりのさとファームの話を聞いたとき、煎っ太郎が使われるのだから たぶん、小さな喫茶店なんだろうと思っていました。ところが、煎っ太郎を納品に ひかりのさとファームにいったらびっくりしました。でかいんです。 とにかくでかいんです。
(写真左・ひかりのさとファーム全景)

めちゃくちゃ広い作業場に寂しくぽつんと働いていました。 最初の予定とは 裏腹にけっこう忙しいため、とても煎っ太郎では、焙煎が追いつかず結局は 5kgの焙煎機を現在は検討しているそうです。
(写真右・広い作業場での煎っ太郎)

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ひかりのさとファームの焙煎室(現在)

ひかりのさとでは、富士ローヤル5kg釜が、現在では稼動中です。 焙煎室は、きれいで結構広くて非常に快適な環境です。 ハンドピックできるテーブルも広く取ってあり、なにもかもがゆったりと しています。このぐらいのスペースがあれば、月に1tぐらいのコーヒーが 生産できるように思います。あとは、生協など販路を開拓すればばっちり だと思いました。 中島さんに「煎っ太郎を引き取りましょうか」と聞いたら 「あれは、初めてコーヒーを焙煎する人に、コーヒーの焙煎されていく様子や 香りや煙などが手にとるようにわかって練習用の機械としてはまだまだ、 使いますからだめです。」とやんわり断られてしまいました。 実は、あの機械を欲しがっている人がけっこういっぱいいて何とかして欲しいと 頼まれるんです。どーーしても、業務用の焙煎機では、釜の中でコーヒー豆が どんな状態になっているかが肌で感じる事が出来ないんです。 それに対して煎っ太郎は、すべてが実感できるんです。欠点としては、一回の焙煎量が 少ない事だけなんです。 (写真・広い作業場で焙煎中の中島さん)


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