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Flavor coffee
油脂をさがせ!
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この実験は・・・百珈苑の旦部さんのアイデアを参考にして実験してみました。
・・・・・・旦部さんのアイデア(百珈苑の掲示板より)・・・・・・
コーヒーの油脂分は、ペーパーやネルドリップではどうしても失われがちな要素です。
これには3つほどの原因があります。効果的な改善方法を示せるわけではありませんが、参考までに。
まず第一に、これらが「溶けにくい」成分であること。これはある意味しょうがない点です。
改善するためにはかなりの長時間をかけるか、抽出温度を(エスプレッソ並に) 上げるしかありませんし、そうするとそれによる雑味が問題になります。
それから二点目には、この油脂分は豆組織や微粉に吸着していることです。
ペーパーやネルの場合、金属フィルターなどとは異なり抽出液から大部分の微粉が除かれますが、 これが却って仇となります。
それから三点目ですが、油脂分はペーパーやネルフィルターに吸着してしまいます。
それによって一旦抽出されても最終的にはコーヒーに入ってこない。
#ちなみにこの2、3点目については、コーヒーの油脂成分の研究をしている北欧の研究グループがデータを出してたはずです。
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実験方法
蒸気式のエスプレッソ・ポンプ式のエスプレッソ・松屋式ドリップ・フレーバー式カップテスト法で抽出する。
コーヒー液をビーカーにいれて冷凍庫で凍らせる。
凍ったコーヒー液を溶かす。
これを数度、繰り返して水とコーヒー液と油分の分離を試みる。

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A・・蒸気式エスプレッソ

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B・・松屋式ドリップ

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C・・ポンプ式エスプレッソ

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D・・ミルサーによる抽出

抽出後すぐのもの

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蒸気式エスプレッソ(A)・松屋式ドリップ(B)・ポンプ式エスプレッソ(C)・ミルサーによる抽出(D)

抽出した写真の説明

蒸気式のエスプレッソは、4kg程度の圧力をかけた状態で抽出しました。ですから、100度以上の高温で抽出したことになります。
松屋式ドリップは、薄める前の状態です。抽出温度は85度ぐらいです。
ポンプ式エスプレッソは、9kgぐらいの圧力で温度は90度ぐらいだと思います。
ミルサーは、150ccに対して20gのコーヒーを使って20秒まわしました。
抽出した段階から、蒸気式のエスプレッソとミルサーによる抽出はにごっていました。
このにごりが油脂のにごりかどうかまでは、現段階ではわかりません。

凍らせたあと溶かしたもの

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蒸気式エスプレッソ(A)・松屋式ドリップ(B)・ポンプ式エスプレッソ(C)・ミルサーによる抽出(D)

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A・・蒸気式エスプレッソ

はっきりいって・・・オリがすごいです。
ビーカーの横に油分がついているんですが、思ったよりも浮いている油が 少なく感じました。
しかし、オリが多いところをみるとオリに油分も含まれいるように感じました。
とりあえず、高温で抽出すると油分は溶けるようです。
抽出したときからにごっている場合、油分が溶けている可能性を感じました。

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B・・松屋式ドリップ

この抽出法では、オリがほとんどでません。
そして、ビーカーの側面も油らしい汚れがありません。
この抽出法では、油も微粒子も非常に少ない感じがします。
この微粒子がはいっていないことが劣化のスピードを遅らせているんではないかと思います。

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C・・ポンプ式エスプレッソ

この方法は、思ったよりも油がビーカーに付着していません。
ポンプ式のエスプレッソの場合、お湯の温度が低いため油が溶けだしにくいように感じました。
オリは、ありますが蒸気式のものと比べると明らかに少ないです。
松屋式と比べると濃度がちょっと薄い感じがします。

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D・・ミルサーによる抽出

この方法は、低温で物理的な刺激によって成分を溶かすことになります。
(ひっかきまわしての抽出)
この方法が、一番上に浮く油分が多い感じがします。
オリ自体は、蒸気式のエスプレッソと比べても多くありません
油が一番きれいに分かれたような気がしました。
ちなみに、ペーパーでろ過しています。

ぼくなりの結論

実験でわかったこと
ペーパーでこしているのが・・・松屋式とミルサー
金属の網でこしているのが・・・蒸気式とポンプ式のエスプレッソ
油脂が多くかんじられたもの・・蒸気式とミルサー
オリが多くかんじられたもの・・蒸気式とミルサー
ここからは・・・
ぼくのかってな意見なんですが・・・
・ペーパーで吸着する油脂の量は非常に少ない
・・・・・ペーパーの吸着がおおければ、ミルサーであれだけ多くの油がでるとは思えない
低い温度で物理的な刺激が弱い松屋式ドリップでは、油脂はあまり溶けだせないように思いました。
ただ・・・後半でかくはんを意図的におこなう松竹式抽出法では、油が浮かないのにコクがでたところから コーヒーの微粒子がコクのひとつの原因ではないかと思います。
・油脂を溶かすためには、そうとう高温で抽出するか、強いかくはんなど物理的な刺激をおこなうかのどちらかだと思います。
ただし・・・高温で抽出した場合は、温度か下がったときにいろいろな成分が析出してきてオリが発生します。
そのときにそのオリの部分に油脂も吸着されてしまうと思います。
・・・・・蒸気式エスプレッソよりも、ミルサーのほうがオリが少なくて浮いていた油が多かった。
ポンプ式のエスプレッソは、非常に濃い印象をもっていましたが、実際に凍らせたときにドリップよりも薄いとかんじました。
・・・・・松屋式と比べると色が薄い
それなのに、濃くかんじるのはコーヒーの微粒子が混ざっていて、そのように感じるんだと思いました。
コーヒー屋が、オイル感やコクを考えるときに実際に油脂を溶かすことを考えるよりは、 コーヒーの微粒子をコーヒー液にどれくらい溶け込ませるかを考えたほうが実用的だと思いました。
しかし、コーヒーの微粒子がはいればはいるほどコーヒー液のもちが悪くなるという欠点を持っているように思いますが・・・・

その後の研究

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ショボイ顕微鏡

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コーヒーのオイル分

抽出したコーヒーのオイル分を調べる

実は・・・いままでこれができなかったのです。
オイル分があるだろうとおもいながら・・・証明ができなかったのです。
だけど・・・・
顕微鏡を買ったことによりどの抽出法だとオイル分がカップに落ちているかを写真に撮ることが可能になりました。
これを発展させれば本当にドリップではオイル分がカップに落ちないかまで証明できることになります。
つまり・・・ペーパーフィルターが本当にオイルを吸着するか否か・・・それを証明することができるわけです。


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